日程を決めたら、参加対象者に忘年会の開催日時を社内メールなどで連絡します。 開催場所や参加費などは決定次第、連絡すること、出欠確認はその際に行うことなども付け加えましょう。
【予算設定】一人4,000円程度が相場。会社からの補助も要確認
参加者の人数を左右する一つの要因となるのが、「予算設定」です。 株式会社リクルートライフスタイルの調査・研究機関が行った「忘新年会についての調査」によると、 2016年12月~2017年1月の新忘年会の予算は平均4,326円でした。
忘年会の場合、飲食費だけでなくゲームの景品や記念品代なども含めた予算を考える必要があります。 先ほどの平均予算を参考に、会社の忘年会の目的と照らし合わせて予算を組みましょう。前年度の忘年会の予算を聞き、参考にする方法もあります。
また、会社や部署から福利厚生の一環として、補助があるケースもあるため、確認しておきましょう。 参加費の負担が下がることで、参加率が上がります。 同時に参加費は男女別にするのか、役職によって参加費を変えるのか、それとも同額にするのかといった部分にも配慮が必要です。
【会場確保】お店選びは参加者のニーズを汲み取り、事前に下見を行う
参加者の満足度を大きく左右するのが、会場の雰囲気や料理の内容です。 忘年会が成功するかどうかは、「会場選び」にかかっているともいえます。「会場選び」は重要項目だと心得、事前に下見を行うなど、しっかり準備して取り組みましょう。 以下に、会場選びの際に配慮するべきポイントを挙げました。
立地条件
会社から適度な距離にあると、集合しやすく、参加者が増えます。
参加者の年代や男女比
幹事と同世代が多いケースと、上司世代が多いケースでは食事の好みも変わります。男女比によって店の雰囲気やメニューも考慮しましょう。
予算
予算内に収めるため、提示されたコース料金が税抜きか税込みか、サービス料の有無など細かい点も事前に確認しておきます。 支払金額の変動を避けるため、一般的には飲み放題付きが好まれます。
料理の種類
料理やお酒は、可能な限り参加者が満足できるものを選びましょう。好みはさまざまなので、料理のジャンル、お酒のジャンルなどが豊富なお店を選ぶといいでしょう。
飲食のスタイル
座敷や堀座卓、立食、テーブルなどさまざまなタイプがありますが、参加者の服装や年代に合わせて選びましょう。
会場の環境
人数に見合う広さか、個室・半個室どちらか、入り口は分かりやすいか、トイレへの導線はスムーズか、清潔かといった環境面を確認しましょう。
宴会の長さ
2時間制か、延長は可能かを確認しておきます。予定が遅れ気味の際にも安心です。
<参加者のニーズに応えるため、より細やかな対応を>
利便性と気楽さから、ついネットで予約してしまいがちですが、忘年会の場所選びは電話がおすすめです。 電話に出るまでに時間がかかったり、対応がぞんざいだったりするお店は、満足なサービスが受けられない 可能性もあります。特に、初めて利用する会場の場合は、下見ができればなおいいでしょう。 導線をイメージしたり、人数と会場の広さが見合っているかを確認したり、また料理の配置など細かな点も質問でき、当日のトラブルを防ぐことができます。
<飲食店にこだわらず、幅広い観点でのお店選びを>
忘年会というと、居酒屋やレストランなど飲食店を会場に選ぶケースが多いといえますが、飲食店に絞る必要はありません。 最近は、パーティー会場や宴会場、貸し会議室などを所有している企業が、飲食を含めて提供する貸切パーティープランや忘年会プランなどが増えています。 会場は自分たちで用意し、飲食のみのケータリングサービスやデリバリーサービスを利用する方法もあります。 こういった場所で忘年会を行うメリットは、席が固定ではないため移動がしやすく、いろいろな人と会話しやすいこと、個室貸し切りになるため周りへの気兼ねが必要ないこと、 マイクやプロジェクターなどの設備が豊富なため、司会進行がスムーズになることなど、さまざまあります。
【プランニング①】スピーチや余興など必要に応じて計画を。協力者へは事前の依頼が大切
それでは、ここからは具体的にプランニングをしていきましょう。まずは抜けや漏れがないよう、当日に必要なことを書き出します。 その上で、時間配分と依頼する人を順序立てて考えていきましょう。
<忘年会当日必要なこと>
忘年会の目的により、必要なプランは変わりますが、
- 司会
- 会計
- 乾杯の音頭
- 中締めのあいさつ(一次会の締め)
といったプランを基本とした上で、写真撮影の時間や余興の時間を加えておくとよいでしょう。
また、幹事以外の人に会計を頼む、頼まないにかかわらず、いつ回収するかを考えておきます。当日ではなく事前に集めることができればベストですが、 難しい場合は開始前、途中など、具体的に集める時間まで決めておくことが、トラブル防止につながります。
<時間の目安>
ある程度、目安となる時間配分を表にまとめました。
開始予定時間から5分以内 |
5分 |
40~45分 |
10~15分 |
40~45分 |
5分 |
5分 |
5分 |
幹事は、開始20~30分前には会場に着いておくようにしましょう。また、退店時は他の人を促し、最後に出るようにしてください。 お店の人には最後にお礼を伝えると、よりスマートです。
<依頼する人・協力者への段取り>
司会やあいさつ、乾杯の音頭を誰に頼むのかといった点は、とても重要です。
- 開始のあいさつ:最も役職が上の人物
- 中締めのあいさつ:上から2番目の役職の人物
- 乾杯の音頭:上から3番目の役職の人物
といった一般的なマナーもありますが、前年度の慣例に従ってもよいでしょう。依頼する際には「何分くらいでお願いします」と、 時間配分を伝えることを忘れないようにしましょう。
<進行表の作成について>
スムーズな司会進行には、進行表の作成が欠かせません。
本日はお集まりいただきありがとうございます。
●●(社名・部署名)の忘年会をこれより始めさせていただきます。司会進行を務めますのは・・・(自己紹介) |
それでは、最初に●●部長にひとこと、ごあいさつをいただきます。●●部長、よろしくお願いいたします。 |
●●部長、ありがとうございました。 |
◯◯さん、乾杯の音頭をお願いいたします。
みなさま、お手持ちのグラスをお持ちの上、乾杯のご準備をお願いいたします。 |
上記は一例ですが、基本的に「次に、誰が何をするのか」といった紹介、行動(あいさつなど)に対するお礼、 参加者を促す声かけ(乾杯の準備など)、といったセリフを具体的に書いていきます。
【プランニング②】上座・下座の概念を考慮した席次・席順の決め方
新人社員や入社して日が浅い人の場合、「社内の人間関係がよく分からない」「どうやって席を決めればいいか悩む」 といったケースは少なくありません。
上座:入口から最も奥(ただし奥が3列の場合、真ん中・右・左の順番)
下座:最も入り口に近い場所
このように覚えておくと分かりやすいでしょう。和室の場合に限り、床の間の前が上座となることに注意が必要です。 上座に座る順番は、役職の高い順となります。役職を確認し、席順を決めましょう。また、幹事は下座に座ることが基本です。
その上で、以下の点も併せて考えておきましょう。
- 人間関係への配慮(犬猿の仲の人物を隣り合わせにしない、男性の中に女性一人といったアンバランスな状態にしない)
- 導線への配慮(トイレにスムーズに行けるようにするなど)
同期での忘年会や、本当に親しい関係であれば、こういった配慮は不要です。また、席次決めが難しいと感じたら、 役職付けの方のみ席を決め、後はくじ引きで決めるといった方法もあります。
案内・リマインドメール】日時・会場・会費の他にキャンセル規定事前共有
忘年会の開催場所と会費が決まったら、プランニングと同時並行で、参加対象者にメールを送る準備を進めましょう。 忘年会の詳細を知らせるリマインドメールには、必要事項を全て書くことが基本です。
- 日時
- 場所(住所、電話番号、地図など)
- 会費と集金方法(事前か後日か。お釣りが不要になるよう頼むことも忘れずに)
- 出欠確認の締め切り日
- キャンセル規定
また、メールの場合、一目で忘年会に関する内容であると分かるようにすることも大切です。 【締切◯月◯日】や【要返信】などをタイトルの頭に付ける方法もあります。
以下は、メール文の一例です。
お疲れさまです。◯◯課の●●です。
先日日程をおしらせしました◯◯課忘年会について、
会場および参加費が決まりましたので、改めてご連絡いたします。
下記内容をご確認の上、出欠のご連絡を●月●日までに●●までご連絡ください。
多数のご参加をお待ちしています。不明点がございましたら●●までお問い合わせください。
日時:●月●日 ●時~
会場:●● (サイトアドレスや住所)
参加費:●●円(当日集めさせていただきますので、お釣りのないようご協力よろしくお願いいたします)
出席のお返事をいただいた後に、仕事の都合などで欠席される場合は、早めのご連絡をお願いいたします。
開催日前日以降のキャンセルにつきましては、キャンセル料が発生するため、ご注意ください。
このように、できるだけ簡潔に、箇条書きなどを用いてメールを作成するようにしましょう。
楽しめる余興とは?参加者を楽しませる余興の事前準備
忘年会といえば、余興がつきものといったイメージを持っている人も多いでしょう。 社員の中に、芸達者な人がいる場合は依頼することができますが、そうでない場合、幹事がアイデアを出す必要があります。
ビンゴやじゃんけん大会など、以下のように全員が参加できるゲームを行うことで、場を盛り上げることができます。
ジェスチャークイズ(チームに分かれ、司会者が出したお題をジェスチャーで伝えます)
絵心クイズ(こちらもチームに分かれ、司会者が出したお題を絵で伝えます)
食事や歓談の時間とのバランスも考え、10~15分程度のイベント構成を目安にすることをおすすめします。